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2015.06.11
カウンセリングで悩みを相談する②「嫌な出来事を忘れたい…」
「嫌な出来事を忘れたい…」
これは、日常で辛い出来事にあった時、誰でも自然に思うことです。
そして、実は、この「忘れる」という行動が、悩みを解決しづらくすることに、
前回の内容で触れました。
今回は、「心の中にしまいこんだ体験や感情は、どんな影響を与えているか」
について書いていきます。
”忘れた”と思っていたのに、実は無意識の中へと積み上げられていく出来事。
そこには、悲しみや怒りなど、心の苦しみが伴っています。
そして、多くの人がきっとまだ小さい頃に、「もう忘れたい」と思うような経験に
すでに出会ったことがあったでしょう。
子どもには、悲しい出来事に出会った時に、対処法として出来ることが限られています。
「我慢して、自然に忘れてしまうのを待つ」これは、最も選びやすい対処法かも知れません。
そして、同じような対処の仕方を、大人になった後までも繰り返していくのです。
このようにしまわれた感情は、日常の中の様々な場面で「心のざわつき」となって顔を出します。
対人場面で感情的になってしまう理由にも、しばしばこの”しまい込まれた想い”が関係しています。
ある時には「苦手意識」となり、またある時には「怒り」を生みます。
考え方や見え方、感じ方と広く影響を及ぼしているのです。
つまり、意外なことかも知れませんが、「心の奥にとどまり続ける想いが、
場面を変え、相手を変えながら反応し続けていること」こそが、
悩みの奥にある”本当の悩み”と言えるのかも知れません。
なぜなら、反応する想いがなければ、心は穏やかなのですから…。
とは言え、全ての人が心の中に、何かしらの想いを抱えているのも自然なこと。
むしろ大切なのは、想いを理解し適切に解放してあげることではないでしょうか。
目の前の問題を考える時には、ぜひご自分の胸の奥の感覚にも意識を広げてみて下さい。
そしてこれまで、我慢強くやってきたご自分にも、温かい目を向けていただきたいと思います。